総合検査室

一般的な血液検査から、ホルモンの検査、感染症の検査、帯下検査、心電図、インフルエンザの検査など、そのほとんどを当院で行っています。
1Fで採血された検体は、エアーシューターで検査室まで安全かつ迅速に運ばれます。

当院での検査内容
生化学的検査:

TP、ALB、GUL、T-CHO、CRE、T-Bil、GOT、GPT、ALP、γ-GTP、LDH、AMY、BUN、Na、K、Cl、Ca、P、Mg、フェリチン、血液ガス分析

内分泌学的検査:

TSH、LH、FSH、PRL、T3、T4、E2、E3、HCG、プロゲステロン

免疫学的検査:

ABO 式血液型、Rh式血液型、間接クームス、交差試験、梅毒、トキソプラズマlgG、サイトメガロlgG、風疹lgG、水痘帯状ヘルペスlgG、クラミジアトラコマチス抗原、HBs抗原、HCV抗体、HTLV抗体、HIV抗体、インフルエンザ抗原、ヒト癌胎児性フィブロネクチン

血液学的検査:

白血球数、赤血球数、血色素量、ヘマトクリット値、MCV、MCH、MCHC、血小板数、白血球像、赤血球沈降速度、PT、APTT、フィブリノーゲン定量

尿検査:

PH、蛋白、糖、ウロビリノーゲン、潜血、沈査

微生物学的検査:

帯下塗抹検鏡、カンジダ培養

その他、院内の空中浮遊菌の検査なども定期的に行っております。

培養検査室

手洗い、消毒、エアーシャワーにより滅菌した環境です。
人工授精や体外受精を行っています。

当院での検査/治療内容
1.人工授精

個室で精液をとっていただき、密度勾配遠心法という方法で精液の遠心分離を行います。この操作により、運動能力もあがり、より良い状態の精子が集まります。ヒューナーテストで結果が不良の場合や、精子の状態があまり良くない場合などの時に、接精製した精子を子宮に入れることにより、受精を行います。

2.体外受精・胚移植
1)採卵

麻酔をかけ、超音波下で卵胞を見ながら針を刺して、卵胞液と卵を一緒に採ってきます。卵胞腋の中から、卵を探し、卵が見つかったら培養液の中に移し、37℃、6%CO2、5%O2という、体内環境とほぼ同じ環境の培養器の中で培養を行います。

2)精子精製

人工授精とほぼ同じ、密度勾配遠心法という方法で精液の遠心分離を行い、良好な精子を集めます。媒精まで培養器中に保管します。同時に精液の検査を行い、状態をチェックします。

3)媒精

媒精には2通りの方法があります。1つは、精子の状態が良い場合に、卵子に精子を何十万個ふりかける方法で受精を行う、スタンダード法。もう一つは、精子数が少ない、運動性が悪い、奇形率が高い、など、通常の方法で受精しない場合に行う、顕微授精があります。顕微授精は、マイクロマニピュレーターという細かい作業ができる装置を使い、良好な精子を選んで、直接卵子の中に精子を入れる方法です。

4)受精確認

採卵した次の日、媒精から約20時間後に、受精しているかどうかを確認します。正常に受精したものは、卵の中に精子の核と卵子の核という2つの核が見えます。この核が見えなかったり、1つだけ、あるいは3つ以上の場合は、育たないため戻すことができません。正常に受精しているものを培養します。

5)分割確認

採卵から2日目に分割の状態を確認し、胚移植が行えるかどうか決定します。グレードは、フラグメンテーション(卵割の過程でできる遺伝子を含まない細胞質の断片)の割合や、割球の大きさが均等か不均等かによって、おおよそ5段階に分けています。グレードが悪いもの、分割していないものは戻せません。良い状態の卵から2個までを戻します。ただ、グレードが良くても妊娠しない場合や、あまり良くなくても妊娠する場合も有ります。

6)胚移植

胚移植前に卵や精子の状態などを説明に伺います。
胚移植をする卵はAssisted Hatcingを行い、着床をしやすい状態にします。カテーテルという細い管の中に、少量の培養液と共に卵を吸い、子宮の中に戻します。
通常、2日目の4細胞期胚で胚移植を行いますが、採卵から5日目まで培養して、胚盤胞という状態に育ったら戻すこともできます。

7)精子凍結・受精卵凍結

採卵当日にご主人様が来られない場合は、事前に精子凍結を行うことができます。ただ、新鮮な精子に比べて、運動能力が落ちてしまいますので、顕微授精を行うことになります。精子の状態により、1〜5回分に分けて保存します。
状態により胚移植が行えない場合や、余剰卵がある場合は、ガラス化法という方法で、受精卵凍結を行います。4細胞期胚、または胚盤胞で凍結を行っています。

染色体検査室

手洗い、消毒、エアーシャワーにより滅菌した環境です。
人工授精、または体外受精した受精卵の染色体検査を行っています。遺伝子情報の異常などを早期に発見し、遺伝子上起こる様々な症候群を未然に防ぐことができます。
染色体とは簡単に「遺伝子情報が入っている箱」だと考えてください。箱の過剰・不足(染色体数の増減)や、箱の中の変化(染色体の欠失・逆位・転座・重複などの構造変化)について検査します。

当院での検査内
1.末梢血染色体検査

末梢血(血管から採血した血液)から染色体を検査し、異常を見つけます。

2. 羊水染色体検査

15〜18週の羊水から胎児の染色体検査をします。およそ1ヶ月で結果が出て、出生前に胎児の染色体についてしることが出来ます。

3.流産組織染色体検査

流産組織に含まれる絨毛組織は胎児に由来します。この一部を採取し、流産の原因が胎児の染色体に起因するものであったかを調べることができます。